・毎月100円から積立可能。世界中の国、企業に投資 日本の株式市場に上場している企業は3500社もあります。複雑な分散を1本にまとめてくれるのが投資信託です。価格変動のある投信を積み立てるメリットとしてドルコスト平均法による購入価格の平準化、リスクの軽減効果があります。 ・毎月1000円からスタート。金額を増やすこともやめることも可能 現在6000本以上ありますが、最初の1本を選ぶ際には幾つかのポイントを押さえておきます。 できるだけ多くの投資対象で運用するバランス型から選ぶ 購入手数料が無料(ノーロード)を選ぶ 保有中にかかる信託報酬が割安なものを選ぶ 選べる投信の数が豊富な金融機関を選ぶ サイトの情報提供や操作性がわかりやすい金融機関を選ぶ ・ネット証券会社ではワンコインから積立てが可能 自社の証券口座からの積立てが基本なので、一定額を預かり金として入金しておくこともできますが、自社グループの現行やクレジットカードからの引き落とし、自分が普段使っている銀行からの引き落としもできます。 ・つみたてNISAや個人型確定拠出年金(IDECO)の活用も 2018年からつみたてNISAがスタートしました。投信を積立てている間の利益や売却時にかかる税金が非課税になり、20歳以上であれば誰もが利用できます。現在、162本と限定されています。年間40万円と上限はありますが、毎月に換算すれば約33000円。非課税期間は20年です。 また、IDECOでも投資信託の積立てができますが、毎月の掛金が5000円以上1000円単位となることや原則60歳まで払い出しができないことなどのデメリットがありますが、運用中の掛金が全額所得控除にでき、節税できたり、運用益が非課税と優遇された制度ではあります。投資できる商品には投資信託の他、保険や定期預金があり、年間144000円から816000円まで拠出できます。
カテゴリー: 未分類
金投資
・有事には株や債券とは異なる動きをする 2019年6月現在、日本での小売価格は1g5000円を超えて上昇傾向にあります。1980年1月に6495円の最高値をつけましたが、その後は下落、再び上昇、高値圏でとどまっています。リーマンショックで一時急落しましたが、すぐに回復し、おしなべて2000年ごろから右肩上がりで推移しています。2013年2月に4910円をつけたあと下落したものの、直近では4000円台半ば~5000円の間で上げ下げしている状態でした。過去の水準からみても、高値圏にあることがわかります。それが世界的な政情不安の影響で6月に入ってからは5000円を超え上昇を続けているのです。 日本の金価格はロンドンの値決めである海外ドル建価格の動きに、為替相場の影響を受けます。基本的には、金は株式相場が下落局面で買われ、相場が好転すれば、資金が他の資産に流出する傾向にあります。また、金は有事に強いといわれ、世界情勢が不安定なときに通貨の代替資産として資金が集まり、金取引は活発化します。 堅調な金価格上昇の要因 ① 底堅い金需要:消費者需要の50%超を中国・インドが占める、両国の需要を支える根本要因は中間層の増加、2030年までに両国の中間層が加速的に増える予想がある。 ② 不確実性が高いマクロ経済・政治環境と金の投資リスクヘッジ機能:米トランプ大統領の経済・外交政策、北朝鮮・中近東・Brexitなど ③ 不確実性が高い日本のマクロ経済環境:少子高齢化、年金問題、可処分所得の低下・貯蓄率の低下、国債のテールリスク、円安の可能性、グローバル化の進行に伴う産業構造改革の必要性など 現物での取引はなく、金ETFや金に投資する投資信託、純金積立といったマネー商品を使って取引します。 ・4つの種類とメリット・デメリット ① 金地金、金貨:インゴット、バーとも呼ばれ板状になったもの。金地金を購入数する場合、販売手数料は1gあたり0.3~1%程度かかり、少量での購入では、スモールチャージという加工手数料もかかるので、手数料などのコストがかかります。金貨ではメープルリーフ金貨、カンガルー金貨、ウィーン金貨ハーモニーが有名です。大きさにもバリエーションがあり、1トロイオンス17万円、1/10トロイオンスなど。いずれも購入時の手数料、加工手数料が割高です。 ② 金ETFの銘柄選びのポイント:金上場投資信託のことで株式市場に上場され、自由に売買できる機動性があります。指値注文や成り行き注文ができ使い勝手がいいといえます。現在、国内市場に上場している金ETFは5本あり、銘柄ごとに特徴があります。ロンドンの値決めの金現物に連動するもの、国内金価格に連動するもの、金価格に連動する債券に投資するもの、金の先物価格に連動するものなどがあります。銘柄選びでは1日の出来高にも注目すべきです。出来高が多ければ、取引が活発なので売買タイミングを逃すことがありません。また、売買コストのほか信託報酬が保有中かかりますので、その点も重要になってきます。 数千~1万円前後など少額から手軽にスタートでき、信託報酬が0.5%以下と、一般投資信託に比べて低コストなのが大きな魅力です。金現物のように保管のコストや手間も不要。実際に金現物の裏付けをもつ、SPDRゴールドシェア、純金上場信託、ETFS金上場信託は1キログラムから現物と交換できる特徴があります。金価格に連動するリンク債に投資するのが金価格連動型上場信託、金の先物取引により金先物価格に連動を目指すのが国内金先物価格型上場投信もあります。リンク債に投資するETFの場合、発行体が破綻すると資産が保全されない可能性があるので注意が必要です。 ③ 金に投資する投資信託なら、毎月少額からの積立てを:本数は多くありませんが、ETFと異なり、積立投資ができるメリットがあります。金ETFを主な投資対象としており、日本の金価格の値動きに連動するか、米ドル建ての金価格に連動するかの違いがあります。また、日本の場合は為替の影響を受けるため、為替ヘッジの有無でも運用成績に違いがでてきます。年1回の決算で分配金の期待があるので、投資信託も選択肢に上がるでしょう。 三菱UFJ純金ファンド、シェアーズゴールドインデックスファンド、スタートストリートゴールドファンド、ピクテゴールドなどがあります。 ④ 純金積立ならスポット買いも併用:ドルコスト平均法により、価格変動のリスクを軽減できる効果が期待できます。価格が安いときには数量多く買付け。高い時には少なく買付けるため、結果的に購入単価が平準化されるというものです。しかし、年会費がかかる場合や買付時のコストが金ETFに比べて割高になってしますのがデメリット。価格下落時にスポット購入で平均買付単価を下げるなどの工夫が必要です。
個人向け国債
個人向け国債は、日本国政府が発行する個人を対象とした債券です。4つのポイントがあります。 1. 高い安全性:満期時の元本、半年ごとの利子の支払いを日本国政府が責任を持ちます。経済環境の変化などで実勢金利が上昇した場合でも、元本部分の価格は、0.05%(年率)の最低金利保証が設定されています。 2. 1万円から購入可能:額面金額1万円から1万円単位で手軽に購入できます。購入金額に上限はありません。 3. 満期、金利タイプの異なる3つの種類から選べます。 基準金利:市場実勢利回りをもとに計算した期間の固定利付国債の想定利回り ・3年債(固定金利型):利率=基準金利-0.03% ・5年債(固定金利型):利率=基準金利-0.05% ・10年債(変動金利型):利率(実勢の金利水準をもとに半年ごとに変わります)=基準金利×0.66 *金利決定にあたり、利子計算期間開始時の前月の10年固定利付国債の入札結果から算出される金利が基準となります。 4.中途換金が可能:発行から1年が経過すれば、いつでも1万円単位で換金が可能です。受取金額は、売却される額面金額に経過利子を加えた金額から直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれた金額となります。 国債の利子は、受取時に20.315%の税金が差し引かれます。 新型窓口販売方式による国債(新窓版国債)は、額面5万円から購入できる法人・個人を対象とした国債です。証券会社や銀行などの金融機関が国から国債を入札または市場で手に入れた国債を独自の値段で販売することです。プランにあわせて2年、5年、10年等の期間が選べます。利率は償還まで変わらない固定金利型です。 日銀がマイナス金利政策を導入後、大手現行が定期預金金利を年率0.01%(税引前)へ引き下げしました。その中で、最低金利が年率0.05%(税引前)と保証されている個人向け国債に注目度が上がっています。
不動産売買
不動産登記 土地は1筆ごと、建物は1個ごとに記録される。 表題部には土地:登記原因、所在、地番、地目、地積 建物:登記原因、所在、家屋番号、種類、構造、床面積 *区分建物(マンションなど)の床面積は内法面積(壁の内側の面積)、それ以外は壁芯面積で記録される。 権利部には登記義務はなく、甲区:所有権に関する事項(差押えを含む) 乙区:抵当権、賃借権、地上権など *土地登記の地番、建物登記の家屋番号は必ずしも住居表示と一致しない 登記の効力 ・対抗力:第三者に対抗できる。例外.借地上の建物を登記すれば借地権の登記をしなくても借地権を第三者に対抗できる。建物の引き渡しを受ければ借家権の登記をしなくても借家権を第三者に対抗できる。 *仮登記だけでは第三者に対抗できない ・公信力:なし。登記記録を信じて取引した場合、真実と異なっていても法的に保護されない。 不動産登記の調査:だれでも、登記所において登記事項証明書や登記事項要約書の交付を受けることができる。 売主等の本人確認 登記時:登記済証または登記識別情報(無ければ事前通知制度など) 登記後:買主等に登記識別情報が通知される。 登記以外の調査資料 ・公図:地図に準ずる図面として土地の位置、形状、地番を表示しているが精度は低い ・不動産登記法14条地図:精度は高いが設置されていない土地も多い ・地積測量図:同上 ・都市計画図:用途地域、建ぺい率、容積率、市街化区域、市街化調整区域の区別、都市計画で定められた道路・公園などの都市計画施設が表示 ・固定資産課税台帳:土地・建物の所有者、所在地、固定資産税評価額などを閲覧できる。但し、所有者(または代理人)、借地人、借家人のみ 不動産の価格 公的価格 ・公示価格:地価公示する標準値の価格 ・基準値標準価格:地価調査による基準値の標準価格で対公示価格とは100% ・相続税路線価:相続税・贈与税の基準で公示価格の80% ・固定資産税評価額は固定資産税、都市計画税、不動産取得税の基準で公示価格の70% 不動産の鑑定評価の手法 ・原価法:再調達原価を求めてこれに減価修正を行い積算価格を求める ・取引事例比較法:取引事例を収集して取引価格に事情修正・時点修正を行い、地域要因の比較・個別的要因の比較を行い比準価格を求める ・収益還元法:対象不動産が将来生み出すであろう期待収益の現在価値を求める事で収益価格を求める。賃貸用不動産の評価だけでなく自用不動産の評価お賃貸を想定することにより適用できる。 ① 直接還元法:対象不動産の年間の純利益を還元利回りで除す ② DCF法:対象不動産の保有期間中の純収益の現在価値の総和と将来売却する際の復帰価格(売却価格)の現在価値を合計する 借地借家法 借地権とは建物所有を目的とする土地の地上権または賃借権をいう。 ・地上権(物権)を譲渡するには地主の承諾は扶養、賃借権を譲渡する場合は必要 ・普通借地権:存続期間が満了し借地人が更新を請求したときは借地上に建物がある場合に限り更新出来る。契約更新がない場合、建物を時価で買い取ることを請求できる。 定期借地権には3種類あり ・一般的借地権:建物用途に制限なく存続期間は50年以上 ・事業用定期借地権等:事業用に限り10年以上50年未満 ・建物譲渡特約付借地権:建物用途に制限かく存続期間は30年以上でその後に建物を地主に相当の対価で譲渡する旨を定める 借家権 一時使用目的の建物の賃貸借には借地借家法は適用されない。なお、借り主は借家家の登記をしなくても建物の引き渡しがあれば借家権を第三者に対抗できる。 ・普通借家契約:存続期間が満了した場合、借り主は更新請求できる。 ・定期借家契約:存続期間は自由。期間満了の1年前から6ヶ月の間に借り主に対しての通知をしなければ対抗できない。床面積200㎡未満の居住用建物を対象とした契約において借り主にやむを得ない事業があれば中途解約できる。 取り壊し予定の建物賃貸借:取り壊す時に賃貸借が終了することを定めることができる 造作買取請求権:エアコン等の造作をしたら貸主に時価で買取り請求できる。 借賃増減請求権:借賃(家賃)の増額または減額を相手方に請求できる。 区分所有法・宅地建物取引業法 区分所有法:分譲マンションなど区分所有建物の権利関係や管理などを規定した法律 ・専有部分:敷地利用権は専有部分と分離処分できない ・共有部分:共有持分は専有部分の床面積の割合による *敷地利用権:専有部分を所有するために建物の敷地に関する権利(所有権、賃貸借) 集会の決議:全員が管理組合の構成員となり任意脱退はできない。管理者は少なくとも毎年1回集会を招集する。建替えには5分の4以上の賛成が必要 規約の効力:区分所有者のみならず包括承継人(相続人)、特定承継人(購入者)、専有部分の占有者(同居人、賃借人)にも効力が及ぶ。 宅地建物取引業法 自ら所有する物件を自ら賃借する場合は免許は不要。 事務所ごとに業務に従事する者5人につき1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置かなければならない。 媒介契約には3種類 ① 一般媒介契約:自己発見取引ができ契約期間は自由。指定流通機構への物件情報の登録義務は無い。 ② 専任媒介契約:自己発見取引ができ契約期間は3ヶ月を上限。依頼者への報告は2週間に1回以上。 ③ 専属専任媒介契約:自己発見取引はできず1週間に1回以上の報告義務あり。 報酬額の制限 ・売買:売買価格×3%+6万円 ・賃借:双方から合わせて賃料の1ヶ月分 クーリングオフ 業者が売主である場合、事務所以外で買受の申し込みまたは売買契約を締結した買主に適用。ただし、買主が指定した場合は不可。 売買契約上の留意点 ・売買対象面積 登記面積(公簿売買)と実測面積(実測売買)がある 分譲マンションは登記面積は内法面積で記録され、契約書やパンフレットには壁芯面積で表示される。 手付金 解約手付と推定され相手方が契約の履行に着手(売主は引き渡し・登記手続、買主は内金や残代金の支払)するまでは買主は手付金を放棄して売主は手付金の倍額を償還して契約を解除できる 危険負担 引き渡し前に売主の責によらない事由(自然災害、類焼)により建物が滅失・毀損した場合、買主は売買代金を全額支払わなければならない。ただし、実務上、このケースでは買主が契約解除できる特約を付している。なお、売主の過失があれば買主は履行の催告をすることなく直ちに契約を解除できる。 瑕疵担保責任 売主は目的物の瑕疵について善意でも無過失責任を負う。善意無過失の買主は損害賠償を請求したり、契約解除できる。買主が瑕疵を発見してから1年以内。宅建業者が売主の場合、引渡日より2年以上とする特約は有効。新築住宅の構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分について、引渡日から10年間は責任を負う。 債務不履行 債務者は損害賠償責任を負う。履行遅延の場合は債権者は債務者に履行を催告し、催告期間内に履行がない場合は債権者は契約解除できる。一方、債務者が履行不能である場合、債権者は履行の催告することなく直ちに契約解除できる。 都市計画法 都市計画区域とは市街化区域(既に市街地を形成している区域及び10年以内に優先的・計画的に市街化を図るべき区域)と市街化調整区域に区分(線引)できる。その他区域を非線引き都市計画区域という。区域外の無秩序な開発が進行することを制限するため都道府県は準都市計画区域を指定できる。 用途区域 市街化区域は住居系用途地域、商業系用途地域、工場系用途地域に分けなければならない。 開発許可制度 ・開発行為:建築物を建築するために行う土地の区画形質の変更 ・開発許可:事前に都道府県知事等の許可を受けなければならない ・建築の制限:工事完了公告前は建築物の建築出来ないが、当該土地を譲渡は可能。 建築基準法 用途地域ごとに建築物の制限が定められている。敷地が2以上の用途地域にわたるときは、過半の属する地域の用途制限が敷地全体に適用される。 道路に関する制限 ・接道義務:建築物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない。 ・セットバック:幅員4m未満の道では、道路中心線から水平距離2mずる両側に後退した線が道路境界線となる。ただし、中心線から2m未満で、一方が崖地、皮、線路敷地等では、4m後退した線が道路境界線とみなされる。セットバック部分は建築物の敷地として利用出来ず、建ぺい率や容積率の計算においても敷地面積には含まれない。 建ぺい率:建築物の建築面積の敷地面積に対する割合。用途地域ごとに都市計画で定められているが一定事由に該当すれば加算がある。 容積率:建築物の延べ面積(床面積)の敷地面積に対する割合:前面道路の幅員が12m未満の場合、指定容積率と前面道路の幅員×法定定数のいずれか低い方が限度。 防火規制:防火規制の異なる地域(防火地域、準防火地域、指定なし)にまたがっている場合、建築物全部について防火規制の厳しい方の制限を受ける。また、防火地域内においては3階以上延べ面積100㎡超の建物は耐火建築物としなければならない。 その他 ・絶対高さ制限:第一種低層住宅専用地域および第二種では10mまたは12m以下。 ・斜線制限:道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、日影規制 ・建築確認:工事着手前に敷地・構造・建築設備に関する法律に適合するか建築主事または指定確認検査期間の確認を受ける。 その他法令上の制限 農地法:農地を売買したり、宅地などに転用する場合には許可を要する。 土地区画整理法:土地の区画形質の変更及び公共施設の新設または変更に関する *仮換地:換地処分を行う前に仮換地を指定できる。仮換地が指定されると効力発生日から換地処分の公告がある日まで仮換地を使用・収益できるが、従前の土地は使用・収益できない。 *土地の所有者が一定の割合で土地を無償提供することを減歩という。一定の土地を換地と定めずに土地区画整理事業の費用に充てるため施行者が処分するための土地として保留地を定めることができる。 不動産の取得・保有と税金 不動産取得税:売買、交換、贈与、新築、増改築による取得には都道府県が課税。相続、借地権、法人の合併などによる取得は課税されない。 免税点:土地10万円以下、家屋は建築で23万円以下・売買や贈与や交換では12万円以下 税額:固定資産税評価額×税率(本則は4%であるが、土地及び住宅は特例により3%となる)宅地の課税標準は2分の1になる *住宅の課税標準の特例:一定の住宅の課税標準は最高1200万円を控除できる ※認定長期優良住宅の場合、控除額は最高1300万円となる 登録免許税 土地・建物を取得したときの所有権移転登記、新築したときの所有権保存登記などの際に国が課税。登記権利者と登記義務者が連帯納付義務を負う。 ・表題登記は課税されない ・固定資産税評価額×税率 *抵当権設定登記の場合は債権金額 ・軽減税率:土地と一定の自己居住用の住宅用家屋に適用 ・消費税:土地の譲渡・貸付は非課税 建物の譲渡・貸付は課税(住宅は非課税) 印紙税 不動産売買契約書、建築請負契約書、金銭消費貸借契約書などの課税文書に対して国が課税。 固定資産税=固定資産税評価額×税率1.4% *住宅用地の課税標準の特例(小規模は評価額の6分の1、一般は評価額の3分の1) 納税義務者に対して市町村が課税。 *新築住宅の税額軽減の特例(3年間または5年間、床面積120㎡以下の部分の固定資産税が2分の1に軽減。 納期は4,7,12,2月であるが一括納付もできる。納税義務者は年の中途でも、その年度分の全額を納付する義務あり。 都市計画税=固定資産税評価額×税率0.3% *住宅用地の課税標準の特例(小規模では評価額の3分の1、その他は評価額×3分の2) 市街化区域内に所在する土地・家屋の所有者に対して市町村が課税。 不動産の譲渡と税金 ・分離課税 譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用) *取得費=譲渡資産の取得に要した金額(仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、印紙税など)+その後の設備費・改良費-減価償却相当額 *取得費が不明な場合、譲渡価額の5%相当額を下回る場合、5%相当額を概算取得費とすることができる。 *相続により取得した財産を相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡したときは支払った相続税のうち一定金額を取得金額に加算できる(取得費加算の特例) *譲渡費用:仲介手数料、印紙税、測量費、賃借人への立退き料、建物の取り壊し費用、広告費など。なお修繕費や固都税は不可。 短期譲渡所得は税率39.63% 長期譲渡所得は20.315% 居住用財産の譲渡の特例 共通事項 ① 配偶者、直系血族、生計を一にする親族には適用不可 ② 3年に1回しか適用できない。 ③ 居住の用に供さなくなった日の3年後の12月31日までに譲渡すれば適用 居住用財産の3000万円特別控除 *相続により取得した居住用財産が空き家となり、一定のリフォームまたは取り壊してから譲渡した場合にも最高3000万円控除できる 居住用財産の長期譲渡所得の特例(軽減税率の特例) 譲渡した年の1月1日における所有期間が10年超の自己の居住用財産を譲渡した場合。居住用財産の3,000万円特別控除と併用ができ、3000万円特別控除後の所得金額が6000万円以下の部分について税率が軽減される。6000万以下の部分は14.21%、6000万超えの部分は20.315% 特定の居住用財産の買換えの特例 譲渡した年の1月1日における所有期間が10年超え、居住期間が10年以上の居住用財産を1億円以下で譲渡し新たなに買い換えた場合に適用。 *譲渡益に対する課税は繰延、差額部分ついてのみ譲渡があったものされる。 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 譲渡した年の1月1日における所有期間が5年超えの居住用財産を譲渡し譲渡損失が生じたときは損益通算できる、通算出来ない金額は翌年以後3年に渡り繰越控除できる。 ・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 譲渡損失が生じ、新たに住宅ローンを利用して買い換えた場合に適用。 ・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除 住宅ローン残高のある居住用財産を譲渡して譲渡損失が生じた場合に適用。 その他の不動産の譲渡の特例 固定資産の交換の特例 同じ種類の固定資産と交換したときは譲渡がなかったものとして課税を繰り延べられる。 特定事業資産の買い換えの特例 事業の用に供している土地建物を譲渡し、一定期間に買換え資産を取得して、そこから1年以内にその買い換え財産を事業の用に供した場合は譲渡益の一部の課税を繰り延べられる。 土地の有効活用 ・自己建設方式 ・事業受託方式:デベロッパーが土地所有者から受託 ・土地信託方式:信託銀行が土地所有者に代わり土地の運用を行う、賃貸型が主流。運用実績に応じて配当される。 ・等価交換方式:土地所有者は土地をデベロッパーは建築物の建設費を出資し、各々の出資割合で土地・建物を所有する。部分譲渡方式と全部譲渡方式がある。 ・定期借地権方式: 建設協力金方式:テナントが差し入れた建設協力金を建設費に充当する 共同開発方式: 等価交換方式における土地所有者の取得する建物の床面積 ・原価積上方式(出資額方式)総事業費のうち土地評価額の割合に応じた床面積を土地所有者に還元 ・市場性比較方式(収益還元方式)デベロッパーが最低限確保したい粗利益率や販売可能単価をもとに必要とする専有部分の床面積を計算し残りを土地所有者に還元 等価交換の税務 譲渡益の繰延ができる 不動産の証券化 ・DCF法:保有期間中に生み出される純収益の現在価値の総和と保有期間満了時点における対象不動産の復帰価格(売却価格)の現在価値を合算して収益価格を求める ・NPV法(正味現在価値法):DCF法による収益価格から投資予定額(現在価値)を差し引き、プラスであれば投資価値有りと判断。 ・IRR(内部収益率法):DCF法による収益価格が投資額と同じになる割引率(内部収益率)を求め、それが期待収益率を上回れば投資価値有りと判断。 借入金併用型投資 ・レバレッジ効果:借入金の金利より収益率が上回っている場合に生じる ・DSCR(借入金償還余裕率)=元利金返済前の年間キャッシュフロー-年間純収益/年間元利金返済額 デューデリジェンス:専門家による詳細なリスク分析 不動産の利回り 単純利回り:年間賃料収入/総投資額 純利回り(NOI利回り)=純収益(年間賃料収入-諸経費)/総投資額 不動産投資信託(J-REIT) 会社型投資信託(投資法人)が投資法人債の発行や銀行からの借入により資金調達、クローズドエンド型の不動産投資信託は時価で売買できるので流動性が高い。
相続税の納付と事業継承
申告と納付 10ヶ月以内に被相続人の死亡時の住所を管轄する税務署長に提出。納付期限は申告期限と同じ。 延納:金銭一括納付が困難で、納付額が10万円超えの場合 ・期間:原則最高5年、不動産割合が75%以上であれば延納期間は20年 ・担保:原則必要。延納税額100万円以下かつ延納期間3年以下であれば担保不要。 ・利子税あり 物納:金銭一括納付や延納が困難な場合 ・物納適格財産:相続税の課税価格に算入された財産 ① 国債、地方債、不動産、船舶 ② 社債、株式、証券投資信託または貸付信託の受益証券 ③ 動産 ・収納価額:相続税評価額 ・物納の撤回も可能 財産評価 相続・遺贈または贈与にとり取得した時の時価による。 金融資産等の評価 ・預貯金:普通預金は預入残高、定期預金=預入残高+既経過利子-源泉徴収税額 ・ゴルフ会員権:取引価額×70% ・生命保険:解約返戻金相当額 ・上場株式、ETF、J-REIT ・上場されている利付債:最終価格+既経過利子-源泉徴収税額 ・個人向け国債・非上場の証券投資信託:中途換金した場合に支払われる価額 宅地の評価 ・評価単位:一区画の宅地ごとに実際の地目、面積による ・評価方法:路線価方式と倍率方式 路線価×奥行価格補正率×地積 *角地は側方路線影響加算率を加味 2つの路線価の内、奥行価格補正率を乗じた後の路線価の高い方を正面路線価といい、もう一方を側方路線価という *裏面も道路に面している(二方路線影響加算率) *不整形な宅地:間口狭小、奥行きが長大:奥行長大、崖地:崖地、不整形:不整形地 倍率方式:路線価が定められていない地域は固定資産税評価額×各国税局長が定めた倍率で算定 宅地の上に存する権利の評価 自用地:自宅敷地や更地、青空駐車場、自己事業所の敷地、使用貸借の敷地=自用地評価額 普通借地権:建物所有を目的として土地を借りている人の借地権:自用地評価額×借地権割合 貸宅地:借地権が設定されている宅地:自用地評価額×(1-借地権割合) 貸家建付地:賃貸アパートの敷地:自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合) 貸家建付借地権:借地人と同一名義の貸家が建てられている場合の借地権=自用地価額×借地権割合×(1-借家権割合×賃貸割合) 私道の評価 特定の者の通行に供される:自用地評価額×30% 不特定多数の通行に供される:評価しない(ゼロ) 建物の評価 ・自用家屋:固定資産税評価額 ・建設中の家屋:費用減価×70% ・貸家:固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合) 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 相続または遺贈により親族が取得した宅地等で被相続人の居住用または事業用に供されていた宅地等は、一定の面積まで80%または50%の評価減が認められる。 *贈与により取得した宅地等は適用外 更地(青空駐車場を含む)は適用外 ・限度面積、減額割合 特定居住用宅地等は330㎡まで80% 特定事業用宅地等は400㎡まで80% 貸付事業用宅地等は200㎡まで50% ・特定居住用宅地の要件:配偶者には要件無し ・特定事業用宅地の要件:取得した親族が被相続人の事業を引き継ぎ、事業を継続している ・貸付事業用宅地の要件:取得した親族が被相続人の貸付事業を引き継ぐ 適用面積の併用と調整:宅地全てが特定居住用宅地等および特定事業用等宅地等である場合は完全併用可能。 ・貸付事業用宅地等を選択する場合の調整あり 適用手続 遺産に係る基礎控除額以下となる場合でも申告が必要。分割が確定していない宅地等は対象とならない(ただし、申告期限から3年以内に遺産分割が行われた場合は更生の請求により適用可能。 非上場株式の評価 取引相場のない株式(非上場株式、自社株式)は、同族株主等が取得する株式(原則的評価方式)とそれ以外(特例的評価方式)に分類される。 ・評価方法の判定:会社規模を従業員数、総資産価額、取引金額により大・中・小会社に区分して、大会社は類似業種比準方式、中会社は併用方式、小会社は純資産価額方式、特例評価方式は配当還元方式により評価する。 ・類似業種比準方式は比準要素(配当、利益、簿価純資産)で株式の評価額を求める ・純資産価額方式は相続税評価額による純資産から法人税等相当額(含み益相当額×37%)を控除する。所有する土地や株式等の含み益が多い会社は評価額が高くなる。 ・併用方式:それぞれの評価額を一定割合(Lの割合)で加重平均する。大会社に近いほどLの割合は高くなり、類似業種比準価額のウエイトが重くなる。 ・配当還元方式:過去の配当実績を基礎とする。 特定の評価会社 同族株主等が取得する特定の評価会社(土地や株式を多く保有)の株式は会社規模にかかわらず、純資産価額方式を採用。 非上場株式の相続対策 ・株価引き下げ対策:経営者への役員退職金の支給は会社の利益の減少または純資産の減少を通じて株価を引き下げる効果が期待できる。 ① 類似業種比準価額の引き下げ ・特別配当、記念配当は1株当たり年配当金額に含まれない ・高収益部門の分離、役員退職金の支給、貸倒損失の計上 ② 純資産額の引き下げ ・時価評価より相続税評価の低い資産の購入(不動産、貸付) ・高収益部門の分離、役員退職金の支給 ③ その他 ・特定の評価会社に該当しないようにする ・会社規模を引き上げる 相続税の納税資金対策 ・生命保険の活用:契約者・保険金受取人を法人、被保険者をオーナー経営者とし、退職金の原資として活用 ・法人による自己株式の取得:相続人から会社が自己株式を買取り、相続人の納税資金を確保 非上場株式移転の際の課税関係 生前に自社株式を後継者に移転し相続財産を減少させることが有効 *後継者への譲渡には所得税、贈与には贈与税 役員報酬を増額して後継者の金融資産を増やすことも有効 非上場株式等の贈与税・相続税の納税猶予制度の活用 ・贈与に係る贈与税の全額について、贈与者の死亡の日まで納税が猶予される。その後、贈与者が死亡した場合には猶予税額が免除され相続税の対象となる ・非上場株式に係る課税価格の80%に対応する相続税について後継者の死亡の日まで納税が猶予される 会社法 種類:合名、合資、合同、株式 株式会社:取締役会を置くと3人以上の取締役、監査を置く。取締役会を置かないと取締役は1人以上で監査は任意。 金庫株:株式を発行した会社自身が取得した自己株式をいう。
相続
相続 贈与と贈与税 贈与契約とは贈与者が財産を無償で受贈者に与える意思表示をして受諾する片務契約・諾成契約である。 書面によらない贈与は履行前であればいつでも取り消し可能だが、履行後は取り消すことはできない。書面による贈与は履行前後を問わず取り消すことはできない。 贈与者は善意であれば目的物の瑕疵についての担保責任を負わない(負担付贈与を除く) 特殊の贈与 ・定期贈与:定期の給付を目的とする贈与。定期金に関する権利に対して贈与税が課税 ・負担付贈与:贈与財産の価額から負担額を控除した価額に対して贈与税が課税 *贈与財産の価額は原則相続税評価額であるが、上場株式や土地建物等は通常の取引価格である。 ・死因贈与:贈与者の死亡により効力を生じる。相続税の課税対象となり、贈与税は課税されない。 贈与税の対象となる贈与 ・個人から個人は贈与税 ・法人から個人は所得税(一時所得・給与所得) ・個人・法人は法人税 納税義務者:納税義務者の住所地、日本国籍の有無により課税範囲が異なる 課税財産 ・本来の贈与財産 ・みなし贈与財産 ①保険金:負担者以外の者が保険金を受け取った場合 ➁定期金: ③低額譲渡:上場株式・土地建物等の場合は通常価額と譲渡価額の差額 上記以外は相続税評価が買うと譲渡価額の差額 ④債務免除 非課税財産 ① 法人から贈与を受けた財産(所得税の対象) ② 扶養義務者からの生活費、教育費 ③ 社交上の香典、贈答、見舞い、祝物 ④ 相続開始年に贈与を受けた財産(相続税の対象) ⑤ 財産分与請求権に基づく分与財産 ⑥ 特定贈与信託(特定障害者扶養信託契約)に基づく信託受益権 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度 ・非課税限度額 ① 住宅用家屋の取得額または費用に含まれる消費税の税率が10%である場合 ② 上記以外の場合、個人間売買により中古住宅を取得した場合 *暦年課税と相続時精算課税制度のいずれの場合でも適用でき、暦年課税の基礎控除110万円や相続時精算課税制度の特別控除額2500万円と併用可。 非課税とされた金額は贈与後3年以内に贈与者が死亡しても相続税の課税価格に加算されない。 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 受贈者(30歳未満)の教育資金に充てた場合、1500万円まで 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 受贈者(20歳以上50歳未満)への資金提供には1000万円(結婚費用は300万)まで 土地の利用に関する権利 ・使用貸借:無償で土地を貸す契約であり、借り手に対して贈与税はかからない ・賃貸借:賃貸借契約や地上権設定契約にもかかわらず、権利金の授受がなければ借地人に贈与税が課せられる。 贈与税は、財産の価額か基礎控除(110万円)を差し引き、その残額に税率(10%~55%の8段階)を乗じる。 同一年度中に特例贈与財産または一般贈与財産のいずれか一方のみ贈与を受けた場合 ① 特例贈与財産の価額-配偶者控除額-基礎控除 ② 控除後の課税価格×特例贈与財産に係る税率-控除額 同一年度中に両方の贈与を受けた場合 配偶者控除:配偶者から居住用不動産(土地のみでも可)または居住用不動産の購入資金の贈与を受けた場合、基礎控除とは別に最高2000万円を控除できる。 *贈与後3年以内に贈与者が死亡した場合でも相続税に加算されない。 申告期限までに金銭一括納付を原則とするが、一定要件のもと延納(最高5年の分納)も認められる。物納は認められない。 相続時精算課税制度 60歳以上の父母または祖父母から贈与を受けた20歳以上の受贈者は暦年課税制度に代えて、こちらの適用との選択可能。特定贈与者からの贈与時に贈与税(特別控除額2500万円、税率20%)を支払い、相続時にその贈与時に贈与財産と相続財産を合計した価額を課税価格として計算した相続税額から、既に納付した本制度における贈与税額を控除した額をもって納付。 相続税の計算:特定贈与者の相続時に、それまで本制度による贈与財産を贈与時の価額により相続税の課税価格に加算して計算。なお、この際、既に支払った贈与税額は相続税額より控除することができ、控除しきれない贈与税は還付される。 *相続財産を所得しなかった場合でも本制度の適用を受けた財産については相続税の課税対象となる。 相続と法律 親族とは6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族をいう。直系血族および兄弟姉妹は互いに扶養する義務あり。親子関係は養子縁組によっても発生する。養子は養親の嫡出子(法律上の婚姻関係にある男女から生まれた子)の身分を取得する。特別養子縁組では実方の血族との親族関係は終了する 相続人:実子、養子、嫡出子、非嫡出子に順位の差はない。相続開始の胎児も相続人になる *相続人になれない:相続開始前に死亡した人、欠格事由の該当者、推定相続人から廃除された人、相続放棄した人 相続分:共同相続人が相続財産を相続する割合 ・法定相続分 ・代襲相続分:本来相続人となるべき子または兄弟姉妹が既に死亡している場合、または欠格・廃除により相続権を失っている場合は、その者の子が相続人(代襲相続人)となる(被相続人の孫、曾孫、甥、姪)。相続放棄した者には代襲相続は適用されない。 特別受益:被相続人から遺贈を受けた者、結婚や養子縁組のために贈与を受けている者など(特別受益者)がいる場合、その贈与分を特別受益財産として被相続人の遺産に加えた合計額を相続財産とみなす。その算出額から特別受益額を控除した残額が相続分となる。 寄与分:相続財産から寄与分(労務提供、財産給付、療養看護)を差し引いた金額を相続財産とみなす。 種類 ・単純承認 ・限定承認:積極財産の範囲内で負債を支払い、積極財産を超える消極財産は責任を負わない。相続人全員が家裁へ申述する。 ・相続放棄 遺産分割 ・指定分割:遺言により分割 ・協議分割:共同相続人全員の参加のもと、全員の同意により分割。 *法定代理人と未成年の子が共同相続人である場合、家裁で子の特別代理人を選任 一部のみの遺産分割でも全員が合意すれば成立 調停分割:家裁の調停による 審判分割:調停でも不成立の場合に家裁の審判による 財産分割の方法 ・現物分割 ・換価分割 ・代償分割 *換価分割や代償分割を行う場合に家裁に申述する必要なし 特定の相続人から他の相続人が代償分割により取得した代償財産は相続税の課税対象となる。不動産を交付した場合は、その不動産を時価により譲渡したものとみなし所得税・住民税の課税対象となる。 代償分割の場合に交付する現金を確保する目的で生命保険に加入する場合、自社株や自宅土地建物等の相続財産の多くを取得する者を死亡保険金受取人にして指定する方法がとられる。 遺言・遺留分 遺言とは遺贈者から受遺者への一方的な意思表示による単独行為であり、贈与者と受贈者との合意による死因贈与とは異なる。 15歳以上の意思能力を有するものであれば作成でき、遺言により非嫡出子を認知することができる。一部遺言も可能。 種類 ・自筆証書遺言 ・公正証書遺言 ・秘密証書遺言 *未成年者、推定相続人、受遺者、その配偶者、直系血族、公証人の配偶者、4親等内の親族は証人になることは不可。 遺留分 被相続人の行う一定の贈与や遺贈に優先する。兄弟姉妹には認められていない。 遺留分減殺請求権と放棄 ・遺留分が侵害されたら認められた遺留分に達するまで贈与や遺贈などを減殺して取り戻すことができる。1年以内に行使しないと消滅する。 ・相続開始前に放棄する場合、家裁の許可が必要となる 成年後見制度 ・法定後見制度:一定の申立て権者からの後見、保佐、補助開始の審判の申立てにより家裁が選任。日用品の購入その他日常生活に関する行為を除き取り消すことができる。 ・任意後見制度:あらかじめ後見人を選任しておき任意後見契約を公正証書により作成。家裁が任意後見監督人を選任したときから効力が発生。 相続税 相続または遺贈(死因贈与を含む)により財産を取得した場合に発生。 *所有権移転登記がされていないものでも課税対象 抵当権や質権は対象外 みなし相続財産:生命保険金や退職手当金など課税対象となるもので、相続を放棄した者も受け取れる。 生前贈与加算 ・相続開始前3年以内に贈与を受けた財産 ・相続時精算課税制度による贈与財産 ・結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置による贈与財産では、死亡時点での残額は相続税の対象。 相続税の非課税財産 ・死亡保険金のうち一定金額=500万円×法定相続分人の数 *相続放棄した者がいても放棄はなかったものとして数に含める 普通養子は実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで含められる 特別養子、代襲相続人である普通養子は実子として扱う ・死亡退職金のうち一定金額=500万円×法定相続人の数 ・弔慰金のうち一定金額 ① 死亡が業務上は普通給与×36ヶ月分 ② 死亡が業務外は普通給与×6ヶ月分 ・墓地、墓石、仏壇、仏具 ・公益事業用財産 ・香典 債務控除 ・債務:銀行借入金、不動産未払代金、未払医療費、未払税金、事業用の借入金 *墓地や墓石など生前に非課税財産を買ったときの未払代金、保証債務(主たる債務者が弁済不能のときは控除可)、遺言執行費用、税理士に対する相続税申告費用は控除できない ・葬式費用:葬式、埋葬、火葬、納骨の回送に要した費用、通夜に要した費用、お布施、戒名料、死体の捜索・運搬費用 *香典返戻費用、墓地などの購入費用、法要費用「(初7日、49日)、死体解剖に要した費用は控除できない。 相続税の計算 本来の相続財産とみなし相続財産を把握し、非課税財産を差し引く。債務と葬式費用を差し引く。相続人が相続開始前3年以内暦年贈与により取得した財産や相続時精算課税制度による贈与財産があれば、その贈与財産を加算。これで求めたものを課税価格といい、各人の課税価格を合計したものを課税価格の合計額という。 課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数) を差し引き課税遺産総額を求める。 相続税の総額:各法定相続人の取得金額にそれぞれの税率(10%~55%の8段階)を乗じて求めた各人の相続税の合計額 各人の納付税額:相続税の総額を実際の財産取得割合に応じて按分して各人の算出税額を計算し、各人ごとに一定の加算または控除の調整を行い計算する。 ・相続税額の2割加算:一親等の血族および配偶者以外の場合(兄弟姉妹、代襲相続人でない孫など)が相続した場合、2割相当額を加算。孫養子も対象となる。 ・贈与税額控除 ① 相続開始前3年以内の贈与財産に係る贈与税額 ➁相続時精算課税制度の贈与財産に係る贈与税額 ・配偶者に対する相続税額の軽減:法定相続分又は1億6000万円のいずれか多い金額まで相続又は遺贈により財産を取得しても相続税はかからない ・未成年者控除=(20歳-相続開始時年齢)×10万円 *控除しきれないときは扶養義務者の相続税額から控除できる。 ・障害者控除=(85歳-相続開始年齢)×10万円